油化装置企画書19-2-5

2 なぜ既存油化装置があるのに開発するのか
 (1) 報道にみる油化装置の実力
     テレビ報道などでおなじみの油化装置は、きわめてシンプルで誰にでも簡単に廃プラを油化でき
         るように見えるが、実はそうではない。種を明かせば、もっとも油化しやすいポリプロピレンでデ
         モンストレーションしているだけである。
 (2) 完全分別が困難な廃プラ
     人間はエラーする動物であり、廃プラを材質別に完璧に分別収集することは不可能である。従っ
         て、熱分解すると多量の塩化水素ガスを発生する塩化ビニールや塩化ビニリデンを除外することは
         不可能であり、廃プラの中にそれが含まれていると考えるのが自然である。
 (3) 環境対策は不可欠の技術要素
     廃プラの油化工程では、上述の塩化水素ガスの他に未燃焼ガスが発生し異臭となり環境汚染する
         ので、排ガス洗浄装置の他に廃ガス燃焼装置が不可欠となる。これを完備していない廃プラ油化装
         置が数多く上梓されているが、環境汚染問題を引き起こしかねないリスクを内在している。
 (4) 廃プラ収集・運搬コストの問題
      現状における廃プラ収集は人手によらざるを得ず、これに長距離運搬が加わると廃プラ油化装置
         の採算性がかなり厳しくなる現実がある。そこで、人手による収集はやむを得ないとして、長距離
         運搬は解決すべき課題である。
 (5) 完結型高性能廃プラ油化装置の必要性
     上述の現状を鑑み、大気汚染も水質汚染も発生せず一定の訓練を受けたものであれば容易に運転
         操作可能な安心安全・環境完結・地産地消型高性能廃プラスチックス油化装置の開発が必要なのである。

3 既存油化装置の能力と問題点
   (1) 現状技術の油化処理能力
         現状で最高水準とされる油化処理技術における油化処理能力は
      熱処理釜容量         2000L
      投入原料比重         0.2~0.35
      投入原料重量                  400~700 kg/B
      生成油生産収率                50 %
      生成油生産量                  200~350 kg/B
         サイクルタイム        6hr/B
         日生産量           800~1400 kg/day
       プラントサイズ        14m×6m=84㎡
         である。

 (2) 現状技術の問題点
     上述の油化装置の問題点は
  ① 加熱乾留釜の稼働率
    釜の運転方法が、原料投入、加熱乾留、冷却及び残渣取り出しという工程のため加熱乾留時間
         が限定され、稼働率を向上させることが困難である。
  ② ガス冷却装置の能力
   上述の工程で発生した乾留ガスは、ガス冷却装置でガソリン、ナフサ、軽油、灯油などに冷却
         回収されるが、乾留ガス注に含まれるヒュームがガス冷却装置に付着し能力低下を来すため、定
         期的に掃除しなければならず、稼働率が上がらない原因となっている。
 (3) 現状技術の実施例(次頁参照)
   
4 新規装置の開発目標は何か
 (1) 基本コンセプト
     本提案の、安心安全・環境完結・地産地消型廃プラ油化装置開発の基本コンセプトは、下図に示
        す通りである。

        環境に優しい装置であること
        風景になじむ機能美があること
        設置工事が短いこと、設置即運転
        コンパクトな装置であること
        安心・安全な装置であること
        優れたコストパフォーマンス
        操作しやすい装置であること
        省エネ設備であること

   安心安全・環境完結・地産地消型
   高性能廃プラスチックス油化装置

 (2) 油化処理能力の具体的目標
      新規油化装置における目標は
          熱処理釜容量         3000L
    投入原料比重                  0.2~0.35
    投入原料重量                  600 ~1050kg/B
    生成油生産収率                50 %
    生成油生産量                  75~131.25 kg/hr
    サイクルタイム                連続運転 
    日生産量           1800~3150 kg/day
         である。
       但し、上述の数値は目標値であり原料組成によって変化することを予め承知おき願いたい。
 (3) プラントサイズの具体的目標
  ① モジュール化・高集積化
       プラント構成機器類をモジュール化・高集積化してメンテナンス性を確保しながら超コン
        パクト化を達成する。
      具体的数値目標:7.5m×4m=30㎡
    ② スケールメリット
    高性能コンパクトプラントを目指す一方、プラントをスケールアップすればするほどスケー
         ルメリットも発揮できるように配慮する。  
 (4) 油化装置図面の説明(次頁参照)
  ① 可搬性の確保
    油化装置は、ユニット化し可搬性を確保している。
  ② 工事の短縮化
    設置即営業運転を目指し、ユニット同士の迅速接続を図っている。
  ③ 装置のコンパクト化
    高さ方向を有効に活用して装置をコンパクト化し、省スペース化を図っている。
  ④ 全天候屋外型
    雨仕舞いを徹底して、全天候屋外型装置としている。

5 課題達成のための具体的手段は何か
  (1) 処理能力を向上させるための具体的方策がある
   ① 熱処理釜の容量アップ
        メンテナンス性を確保しつつ機器類の高集積化を図り、熱処理釜本体も容量アッ
   プする。
   ② 原料投入の連続化
        「密閉又は加減圧された容器への原料供給装置」により原料投入を連続化して、熱分解ガス
        発生量を常時ハイレベルに維持する。
   特願2006-119815号
   実用新案登録第3123082号
   ③ メンテナンスフリー化
        スケーリングしやすいガス冷却液化装置(多管円筒式熱交換器)を「熱交換器伝熱管
        の管内スケール除去装置(特許・実用新案出願済み)」により油化装置を運転中に熱交換器を停
        止したり解体することなく瞬時にスケール除去し熱分解装置の停止時間を皆無に近づける。
   特願2006-102437号
   実用新案登録第3122451号
   ④ 残渣排出時間の短縮化
        熱処理釜内に蓄積する残渣排出時間を極力短縮するため「高性能プラスチックス油化装置
        (特許・実用新案出願済み)」技術を応用する。
     特願2006-357384号
     実用新案登録第3130629号 
  (2) 基本技術である加熱乾留技術の実績がある
  ① NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)燃料電池用電極基板の開発研究
      燃料電池用電極基板は、炭素繊維をフィラーにフェノール樹脂をバインダーに種々の細孔形
         成材を混合したコンパウンドを加熱圧縮成形し、得られたグリーン基板を焼成することによっ
         て電極基板となしている。この焼成工程は、とりもなおさずプラスチックスの加熱乾留技術そ
         のものである。
  ② ハイブリッド車載電気二重層コンデンサー用負極材料の開発研究
     家庭用ラップフィルム製造工程で発生する塩化ビニリデンフィルム屑有効利用の一環として、
        某自動車メーカーハイブリッド車○○○○○搭載電気二重層コンデンサー用負極材料を開発研
        究。加熱乾留過程で大量に発生する塩化水素ガスで環境汚染することなく材料開発した実績がある。