改善・改良

政治評論家で森田総合研究所を主宰される森田実先生の講演を拝聴する機会をいただいた。テーマは「日本政治・今後の動向」とでもいったところであるが、知名度が極めて高いだけに会場は先生の講演を聞き漏らすまいと静まりかえっていた。いま国内政治は景気浮揚策と年金目的型消費税増税という矛盾によりにっちもさっちもいかない状態なので、国民の理解を得るためには小手先だけの政策では政治不信がますます募るばかりである。衆議院定数削減・国家公務員定数削減は言うに及ばずあらゆる老害にメスを入れて果敢に改革を断行しなければならない。1000兆円の借金を半減できる妙案があるなら、それを実現したものに対して50兆円のインセンティブを与えればよいのである。むろん、無税で。

私は今回の東日本大震災は、因縁果報という観点から次のように整理している。すなわち大地震は「因」であり発生場所が海底であることも「因」の一つであり、これらはいずれも自然の営みであること。大地震の震源地が海底であったことにより大津波が発生したが、大津波が襲来到達する範囲に多くの人が住んでいたこと「縁」がおびただしい犠牲者「果」を出し、その「報」いとして大きな悲しみが生まれた、と。従って、このような惨事を何度も繰り返さないようにするには「因」あるいは「縁」を断ち切ることがもっとも肝要であるが、「因」である自然の営みは御しがたいので「縁」である人間が生活する場所を高所に移転するか、津波が襲来しても呑み込まれないように垂直移転するかいろいろな対策を講ずることが必要となる。この場合、「因」と「縁」とは逆にして考えても同じことである。今回のような大地震は平安時代にもあったとのこと、さらにチリ津波も経験しているので私たちは歴史に学ぶとともに政府も想定外などと片付けないで適切な防災対策を講じなければならない。今回、東海地震の発生確率が4年以内に70%という予測結果が発表されたので、私たちも日頃から防災訓練を徹底したり非常持ち出しや食料準備など臨戦体制確立が急がれる。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ではなく「備えあれば憂いなし」で行きたいものである。

私は、出張に出かけると少しでも効率よく、少しでも成果が上がるようにと時間の無駄を極力減らしながら営業活動に励んできた。従って車による移動も当然のこととしてスピードを出すせっかちなものとなっていた。しかし、このようなライフスタイルは高速道路での事故の危険性に直結しており、決してよいものではない。そこで最近は、特に緊急性がない限り高速道路は時速80キロ前後で走行するように改善した。このようにすることで私は、運転で神経をすり減らす必要がなくなり心にゆとりが持てるようになった。ある人が言っていた「高速道路は、高いお金を払って走るのだからスピードを出して走るのは勿体ない」と。

いつものお客様からいろいろな要望が寄せられている。失礼な言い方であるが、年齢に割に非常に思考が柔軟で私は教えられることが少なくない。私はこのお客様の要望を何とか実現したいと思っているが、出張がちの私にとってコミュニケーションがなかなか難しい。そこでこのお客様のご子息に事情を説明し、お客様が考えていることをパソコンメールに送信して欲しいとお願いした。このようにすればお客様の考え方も整理されるし、それを見た私も理解しやすいと思うのである。

今回の組立ライン省力化を紹介して下さった方から電話があった。「何度も足を運んで仕事にならなかったら無駄骨にならないか心配している」とのこと。たいへん有り難い言葉に感謝申し上げたが「仕事っていうものはこんなものです」と私は即座に答えた。しかし、この世はスピード・タイミング・コミュニケーションなので、もたもたしているといつ何時対応できないとも限らない。その時になって慌てないように早めの決断こそ肝要である。

お客様の中には何度も何度もひっくり返し「決断できない症候群」も少なくない。そのような性向は一事が万事だから、他の場面でも大きなロスタイムを囲っているに違いない。