国によって異なる時間の感覚

 ベトナムでは、国家の発展のためIT技術と新幹線と原子力を必要としているらしいが、このうち私が関われそうなのはIT技術と原子力ぐらいである。昨年11月からいろいろな情報収集に努め微力ながら支援できるように準備してきたが、肝心の名刺ができてこない。
 この名刺は、国家が名刺の人物の身元を保証するらしく、私は必要な書類をベトナム本国に送り何度も何度も督促したが、それでも発送された形跡はない。肝心の名刺がないと、こればかりはどうにもならない。
 たまたまこの仕事の紹介者がベトナムに帰国しているので電話をかけて聞いてみたところ、やっぱり名刺はできていなかった。こんなこともあろうかと、予め名刺の出来上がる期日を3月上旬と想定していたが、まさにその通りになろうとしている。
 名刺作成が遅れた理由はいろいろあるが、日本語への翻訳と私の名前の難しさもその一因にあるようだ。しかし、今度こそ何とかなりそうである。ベトナムでもフィリピンでもそうだが、何れの名刺も色遣いが派手である。逆に言えば日本の名刺がおとなしすぎるのかも知れない。
 フィリピンに設立した会社の現地役員にもすべての役員の名刺を作ってくれるように頼んだが、どんな名刺ができてくるのが想像もつかない。先日、現地のオフィスに行ってみたら既にパソコンのスクリーンセーバーがロゴマークになっていた。
 帰国する前日、関係者をスパに招待したら集合時間13時に対して、実際に集まった時刻は14時30分。それから食事してお楽しみのスパタイムは15時30分、ところがメンバーの一人は16時30分から用事があるというので、それまでにスパを終わらせるよう約束をした。しかし案の定、スパタイムが終わったのは1時間遅れの17時30分。みんな気持ちよさそうに、にこにこしながら出てきた。慌てる様子など微塵もない。だんだん私もこの生活が好きになってきた。全体が遅れるから、せかせかする必要が全くない。いつも時間という強迫観念を抱いて生活している国とは大違い。
 しかし、ビジネスプランもそうかというと必ずしもそうではない。彼らは実にシステマティックに仕事をこなしている。だから、きっと仕事も上手くいくだろう。

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